●[雑談3]街頭劇の季節
飲みに出かけると大抵どこかの大学が卒業式をやっていて、街中に袴姿を見る。かくいう私も普通に進級していれば卒業の年なので、卒業旅行にかり出されたり、追い出しコンパをやったりと忙しい。ひとり東京を離れていよいよ今年で最後、と思いつつも後ろ髪をひかれる。今年から東京で働く、という高校の友人もいる。
雪どけて桜咲くこの季節を年度の区切りにしたことは、何とも抒情的である。四季があることこそが日本の美だという陳腐な言葉にさえ、思わず頷いてしまう。
「卒業」という二文字をタイトルにした幾多の歌があったが、そういえば「入学」ソングというのは少ない。「♪どっきどきの、いちねんせー」ぐらいではないか。まあ無理もない。新天地の不安というのはただ漠然としたもので、歌にできるような「記憶」と結びつく種類のものではない。過去は歌いやすいが未来は歌いにくい。
あと仮説として考えられるのは「卒業」という擬似的な離別に目を向けることによって、さら重い離別、たとえば「死」などから目を背けるという効果だ。悲劇を観にいって涙を流しても、別に身内が死んだわけではないのと同じである。多くの人々はこの季節、そして桜の花弁やなごり雪にカタルシスを求めている。それが新生活への原動力ともなるのだろう。茶番の季節とあざ笑うこともできようが、日本中至る所で街頭劇が演じられる、ドラマティックな季節だと考えたい。


コメント
「ひとり東京を離れていよいよ今年で最後、と思いつつも後ろ髪をひかれる。」ってなんか日本語変じゃないすか?
僕も内定でました。学校の時間割とかもらいに行くの億劫ですねえ。
Posted by: Sもだ | 2006年03月31日 01:36
どうもお久しぶりです。確かに変ですね…酔ってたわけじゃないんですけど。
内定おめでとうございます!また学校で。
Posted by: 木下修司 | 2006年03月31日 12:37