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2006年10月15日

●[はじめての… 9]モンゴル国 後編

わずか5日間の滞在であったが、忘れられない思い出ができた。年に1度の祭典「ナーダム」での草競馬である。

毎年7月11日がナーダムの日である。ウランバートル市内のナーダム・スタジアムでは、朝から盛大な開会式があり、その後モンゴル相撲の全国大会が始まる。各地方の予選を勝ち抜いてきた512人でのトーナメント戦。とは言っても涙、涙の甲子園とは違って、どこかのどかなお祭り気分である。

モンゴル相撲や弓矢の大会を見学したのち、我々はガイドさんと共に草競馬のゴール地点へと向かった。ウランバートルの市内からスタートする草競馬は、何キロもの行程があるため、ゴール地点は郊外となる。各地方の代表である少年たちが、モンゴル馬にまたがってレースを繰り広げるのだ。

しばらくお茶などをしていたが、そろそろトップがゴールに到着するという話を聞いて、観客席のほうに向かう。会場まで馬で来ている人も多いあたり、騎馬民族の国である。


何キロ先かわからない遙か遠くに、いくつかの点がうごめいている。それが段々と近づいてきて、徐々に馬と騎手の輪郭が見えてくる。少しずつ大きくなってくる足音。ばらけてはいるが、先頭集団は3頭ほどか。

残り数百メートル地点で、1頭がスパート! のこりの2頭が必死に追いすがるが、徐々に差が開いていく。どの馬も消耗しきっているが、最後の力を振り絞って走る。少年は懸命に鞭を打つ。地面から響くような観客の大歓声、そして拍手のなかでゴールイン。それは競馬というよりも、マラソンである。


次々と馬がゴールに入ってくる。中には途中で落馬したのであろう、騎手のいない馬や、最後はほとんど歩いている馬もいる。総力を使い果たした馬に、少年たちに惜しみない拍手が送られていたそのとき、水滴を感じた。雨だ。太陽も出ているのに、と思っているのも束の間、したたり落ちる滴はあっと言う間にスコールとなった。それは、彼らすべてを祝福するかのようだった。

5分ほどで神様のいたずらは終わった。振り返ると、二重の虹がほほえみかけていた。

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