« [雑談17]日本三大キノシタ | メイン | [雑談19]King of Athlete (後編) »

2007年09月20日

●[雑談18]King of Athlete (前編)

"King of Athlete"という称号をご存じだろうか。陸上の十種競技(デカスロン)の選手をこう呼ぶのである。

十種競技は日本では非常に知名度の低い競技なのだが、欧州をはじめ世界では人気は高いらしい(実際どれぐらいのもんなのか私も知らんが)。初日に100m、走り幅跳び、砲丸投げ、走り高跳び、400mの5種目、2日目に110mハードル、円盤投げ、棒高跳び、やり投げ、1500mの5種目をこなすこの競技。それぞれの結果が点数になり、その合計点で競う。走って、投げて、跳んで、すべてに一定のレベルが要求されるし、スタミナも必要だ。

そんな「スポーツ万能」を極限まで追求した男たちの戦いを、先月、大阪まで観に行ってきた。世界陸上大阪2007。

各競技を極めたスペシャリストの技も美しいが、すべてに秀でるジェネラリストの技も捨てたものではない。そして、各競技に得意不得意があるし、ファールのある競技では「記録無し」が絶対に出せないなど、単体競技にはない面白さもある。何よりも感動的だったのは、10種目を終えた選手達が1500mのゴール地点で抱き合い、お互いの健闘を称えるシーン。そして、その後のウィニングランである。

ほとんどテレビ中継されることのないドラマの一端を、少しでも広めたいと思い、筆をとることにした。北京五輪のテレビ中継枠が少しでも増えることを願って、選手たちを紹介してみたい。

[大会結果]


~選手紹介 その1~

[金]ローマン・シェブルレ(チェコ)8676点
ご存じ(ではない人も多いだろうが)、世界記録保持者。人類で唯一9000点を超えた男である。33歳、もう全盛期は過ぎたという感があったが、今大会は存在感を見せつけた。最大のライバルであるブライアン・クレイ(アメリカ)の途中棄権もあったが、伏兵モーリス・スミス(ジャマイカ)を9つ目のやり投げで大逆転。71m18の自己新をマークしたあたり、まだまだ来年も、と感じさせるに十分だった。8種目めの棒高跳びでは、自己記録5m20よりはるか低い4m40から始め、いきなり2回失敗。次も失敗すれば記録なしとなるところを、きっちりクリア。最終的には4m80にまとめた。正直あのとき私はシェブルレ時代の終焉を予感したのだが、まだまだしぶとい。

[銀]モーリス・スミス(ジャマイカ)8644点
わずか32点差に泣いた漆黒の弾丸。世界大会の実績もなく、前評判は特に聞いていなかったのだが、棒高跳びまではトップをキープする大健闘を見せた。彼の魅力は、砲丸投げの回転フォーム。しゃがんだ態勢から半回転振り返って投げるフォームの選手が多い中、彼だけが専門選手のような美しい回転フォームを見せた。17m32はトップの成績。その他、棒高跳びでは自己記録4m55を大幅に更新する4m80を跳んだ。27歳、まだ伸びる逸材。北京が楽しみ。

[銅]ドミトリー・カルポフ(カザフスタン)8586点
中央アジアの若き鉄人。アテネ銅メダリストの26歳。トップに立つことこそなかったものの、終始3位前後の順位をキープした。終わってみればシェブルレに100点差もないシーズンベスト。こちらも北京に向けて調整してくることだろう。

コメントする