コミックマーケット、通称コミケ。8月13日、ついに足を踏み入れることになった。

はじめて名前を聞いたのは高校1年ぐらいの時だったろうか、中学生だったかもしれない。夏休みに同級生の何人かが、わざわざ東京まで、青春18きっぷを使って乗り込んでいたのをよく覚えている。いわゆる同人系エロ漫画を買うために。
出店している友人に誘われたというのもあり、私も最終日、男性向けエロ漫画の日に東京ビッグサイトに突撃した(3日間あって、初日は少年漫画など一般向け、2日目は女性向けエロ、3日目は男性向けエロと区分されているらしい。知らなかった)。とは言っても、目当ての漫画があるわけでもないので、始発で行って並ぶということもなく、午後からのんびりと。前日の大雨のせいで東京湾花火大会が順延されており、ゆりかもめは警戒ムードである。
すでに地下鉄からゆりかもめに乗り換えるあたりからアキバな香りがしていたが、国際展示場正門駅を降りると、そこは楽園であり地獄であった。周囲の人間の格好というか、何というか。前回ビッグサイトに来たときはリクナビのイベントやったなぁ、と思いつつ歩みを進める。歩けないわけではないが、ものすごい人出だ。
とりあえずコスプレ広場に行く。コスプレをしている人々と、それを撮影する人々との非常に微妙な関係性がこわい。実際、撮影に関するトラブルは毎年起こっているようだ。しかし、えーっ!というような人もいるが、きれいなお姉さんも多い。当たり前ではあるが、世間一般と同比率、あるいはそれ以上にきれいな人はいる。だってコスプレですよ。身体もコスチュームです。
続いてメインであるコミックの売り場に。リクナビでも半分しか使わなかったビッグサイトを全部使っているのだから、恐ろしい。会場内は汗の香りが充満している。売れてないところが大半だが、ところどころのブースには行列ができている。そのギャップは激しい。すべて同人系エロ、いわゆる一般作品の二次創作が主のエロである。あまりの多さにもはや興奮も何もなくなった。
最後に西側の、コミック評論などその他の冊子売り場をのぞく。と学会とか普通におったが、ここが一番なごんだ。そういえば私もつい最近までサークルで同人誌の編集長をやっており、ときどき学園祭で机に冊子を並べて売っておったものだ。ボーッとしたり酒飲んだり客引きしたり。基本はおんなじである。「志を同じくする人の集まり」=「同人」というだけのことだ。
到着してすぐは、彼らとの絶望的な乖離を感じた私ではあったが、帰るころにはすっかりなじんでいた。コスプレをする連中と漫画を売る連中とにも決定的な差があることなど、彼らを「オタク」で一括りにする奴らには到底理解できないのだろうが、それはまあいいだろう。何となく感じたのは、真剣にトップを目指すのであればどんな分野でもよい、という寛容性をもった現代日本社会は意外と悪くないのではないか、ということだ。